わからなかった人のための『重力の虹』解説2 あの人は今!

 

 

 

 各登場人物の顛末をまとめればわかりやすくなるんじゃね?説。

初登場の章ごとにまとめました。

とりあえず公開するけど順次更新するからよろしく。

 

①↓

kambako.hatenablog.com

 

 

第一部初登場組

 

*スロースロップ

 別の記事を参照。

kambako.hatenablog.com

 

 

*カッツェ

三重スパイ。

ストーリーに合わせて流浪の日々を送っている。 

ブリツェロと生活

→00000号打ち上げ直前に別れ、プレンティスに連れられイギリスへ

ヘルマン・ゲーリング・カジノにてスロースロップと逢瀬

→イギリスに戻りプディング准将のお相手

→戦後、スロースロップを探してドイツへ移動

→エンツィアンと合流

エンツィアンたちがどうなったのかは作中で描かれていないため、カッツェの行方も不明。00001号の生贄となったのかについては個人的には50:50ぐらいの信憑性だと思う。 

 

*ロジャー・メキシコ

PIECESの統計学者。ジェシカの浮気相手。

戦後はPIECESの同僚やジェシカと別れたようだ。

カウンターフォースに属した!と第四部では描かれているが、そもそも第四部のイギリス周りの信憑性自体が……

 

*ポインツマン

 スロースロップを巡る陰謀の仕掛け人。

 スロースロップ作戦は失敗に終わり、研究者としての人生は断たれたが、管理者として昇進したようだ。別組織にて働いている様子が描かれている。詳しくは~ページにて。

 

ジェシカ・スワンレイク

 戦時中はロジャーと不倫していたが、終戦後元のさやに戻る。

 ロジャーに語ったところによると、夫と一緒にドイツに移住するようだ。

 ロジャーは<かれら>に属しただのなんだの言っているが、これはあくまで「合理的に行動した」程度の意味だと思っている。

詳しくは↓

kambako.hatenablog.com

 

 

*"早駆け"タンティヴィ

 スロースロップの盟友。第二部のカジノから突然消失、のちに「ドイツ戦線にて死亡」との旨が新聞で報じられる。

 この報道の信憑性についてはスロースロップの語る通り。

 犯人……というか仕組んだのはテディ・ブロート。

 なお後でもスロースロップの前に現れるが、状況的に幻影あるいは思い出と考えた方が適切だろう。いちおう死んだと報じられたのは「ドイツ戦線」なので、ドイツで生きててもおかしくはないのだが……

 

*テディ・ブロート

タンティヴィを陥れた人。 

カジノの一件以降は行方不明。

タンティヴィの死亡記事に寄せた名前を見ると、昇進したようだ。

 

*オズビー・フィール

映画マニア。 

第四部にてプレンティス同様カウンターフォースの中心メンバーとして描かれているが、そもそも第四部の信憑性はかなり微妙。

カウンターフォースも具体的に団体が存在するわけではなく、「不合理に動くやつら」くらいの意味あいなので、実際何して生活しているのかはよくわからない。

 

*レニ・ペクラー

 

*"海賊"プレンティス

バナナ屋敷のイケメン。

基本ずっとロンドンにいた。

例外はカッツェ救出時(第一部)。第三部でも飛行機でドイツに来ている。

こいつが他人の妄想を引き受けてしまうために第四部、ひいては作品全体の信憑性がかなり怪しくなっている。

 

*ホワイト・ヴィジテーションのみなさん

 終戦に伴いPIECESは解体、それぞれ別の職場に移ったようだ。

 具体的な行先は~ページにある。

 

プディング准将

 おなかいたいよう……。

 大腸菌にあたって死亡。

 第四部カウンターフォースには霊の形で登場する。まあ合理的とは言えない死に方してるし……

 

第二部初登場組

 

*ワイヴァーン大将

 

*サー・ドジスン・トラック

 スロースロップの監視人。

 陰謀のことをゲロってしまったためロンドンに帰国。

 別に殺されるとかはなく、別組織に異動になったようだ。~ページ参照。

 カウンターフォースにも出てきているが、何度も言うようにカウンターフォースは具体的な組織ではない。

 

*ワックスウィング

 

*ブリツェロ

またの名をヴァイスマン。

意外なことに消息がつかめていない人。

戦時中はロケット開発の責任者として行動。

00000号の打ち上げ後、ブリツェロの行方は意図的にぼかされている。

翻訳の佐藤氏の註によると、アメリカに移りアポロ計画に関与した様子?

 

*ゴッドフリート

ご存じ花嫁ボーイ。最終セクションのアレ、エロいですよね。

00000号の生贄となった。

 

 

第三部初登場組

 

*グレタ・エルトマン

ドMクイーン。

スロースロップと映画スタジオで出会い、一緒に行動する。

アヌビス号についた後はずっとアヌビス号にいたはずである。

もっとも、アヌビス号自体の行方が怪しいのだが…… 

 

*ミクロス・タナツ

 ブリツェロと行動→打ち上げ直前にアヌビス号へ→アヌビス号から落ちる→難民にまぎれて流浪の日々→エンツィアンに拉致される。

 エンツィアンが拉致したのは00000号の真相を知るため。

 ヘレロ族の面々同様、その後の行方は描かれていない。

 

ビアンカ

 基本的にアヌビス号にずっと乗船。

 スロースロップ下船~2回目の乗船までの間に死亡。

 スロースロップ下船直前のエピソードを見るに、犯人はおそらくグレタ・エルトマンだろう。

 ビアンカの死体はグレタのエピソードに描かれた「ユダヤ人と左翼の虐殺」と同じ殺され方をしている。

 

*ゲリー・トリッピング

 魔女っ子ゲリー。

チチェーリンと別れて町に住んでいたところをスロースロップと出会う。

ブロッケン山でスロースロップと再会、気球に乗る彼を見送る。

第四部にてエンツィアンと再会するため旅を開始、最終的にチチェーリンと出会い、魔法で虜にした。

そのあとは描かれていないが、チチェーリンと一緒に行動していると考えるのが妥当か。

 

*エンツィアン

ヘレロ族のリーダー。

幼少期にヘレロ虐殺中のブリツェロと出会い、心酔する。

その後ブリツェロとともにヨーロッパへ移動、ロケット開発に関与する。 

00000号打ち上げ前にブリツェロと別れ、黒の軍団を結成。土豚穴を拠点に活動していた。

最終的には00001号の打ち上げに向け移動。移動中に物語は終わってしまうため、その後の行方は不明。

移動中に怨敵チチェーリンと会っている。ただし、魔法でお互い気付かなかったうえ、エンツィアン側はチチェーリンのことを邪魔者くらいにしか思っていないような気もする。

 

*チチェーリン

 エンツィアンを追うソ連の軍人。エンツィアンの異母兄。

開戦前に中央アジアに勤務、キルギスの光に邂逅する。

開戦前後にドイツへ移動、ソ連スパイとして仕事をしながら私怨でエンツィアンを追う。

だんだん私怨の割合が大きくなっていたらしく、第三部~第四部でソ連に呼び戻されるも、これを拒否。

単身エンツィアンを追っていたが、ゲリーと合流し魔法をかけられる。

その直後にエンツィアンと出会ったが、魔法のせいで気付かなかったようだ。

その後の行方は不明。

 

*ライル・ブロンド

スロースロップのおじさんにしてスロースロップを実験に差し出した人物。

作中時点(1945年)で故人。

幽体離脱して死んだらしい。

 

*フランツ・ペクラー

ロケット技師。 

スラム街で働いており、そのころに妻のレニ・ペクラーと結婚。子供をもうけた。

その後クルト・モンダウゲンと出会い、ロケット開発の道に入る。この直後に妻及び娘と離別。

ロケット開発者として各秘密基地を転々としていた(ペクラーとイルゼのエピソード)。

ノルトハウゼンの地下トンネルにて働いていたころ、00000号の設計の一部に関与。

終戦後は遊園地にやってきており、スロースロップと出会う。

 

*デュエイン・マーヴィ

 デブでレイシストアメリカ軍人。

 スロースロップと間違われてイギリスに送還。

 イギリスにて誤解は解けたようだ(~ページ)。

 

*イルゼ

ペクラーの娘(?)。 

ペクラーのエピソードにのみ登場、1年ごとにペクラーと遊園地を訪れる。

ペクラーのエピソードのラストにおいて「また会いに来る」的なことを言っているが、その後どうなったのかは不明。読みこぼしたかも?

 

*"飛び駒"フォン・ゲール

 スロースロップと別れてからは消息不明。

 まぁ生きてるでしょう、たぶん。

 

*ゾイレ・ブマー

いかにも怪盗紳士なオッサン。趣味は音楽談義、あと大麻。 

ハッシシの一件以降本筋にはあまり登場しないが、どうもゾイレ所有のマンションにずっといるっぽい。

後にスロースロップもそのマンションに戻ってくる。

 

*"土豚穴"のみなさん

 基本的にはエンツィアンに同じ。

 ロケット00001号の打ち上げに向けて動いているところでストーリーが終わっているため、そのあとは不明。

 

*ビッグ・ボーディーン

<ゾーン>にて闇商人をやっていた憎めないやつ。

 ロケットマンになった直後のスロースロップと出会い、大麻回収を依頼する。

その後ながらく登場しなかったが、娼館のシーンで再度登場。

ビジネスマンらしく賭けの胴元をやっていた。

その後、ゾイレ・ブマーのマンションに身を寄せ共同生活をしている。

なお、分裂直前のスロースロップを最後に見たのは彼である。

トマス・ピンチョンの過去作『V.』にも登場。時系列的にはこちらの方が後である(『重力の虹』は1945年ごろ、『V.』は1955年ごろの物語)。『V.』には妻も登場する。

 

第四部初登場組